材料の知識「等身大パネル攻略法」

コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。

今回はコンドットの中でも人気の商品「等身大パネル」について。等身大パネルに適した材料選びとは?データづくりはどういう風にすればいい?そんなあれこれについて解説いたします。

等身大パネル・材料の考え方

厚み
等身大パネルの場合もほかのパネル類と同じように5mm厚・7mm厚から材料を選択することになります。等身大パネルの場合におすすめなのは圧倒的に7mm厚です
その理由の一つが、等身大パネルに仕立てた時の安定感です。パネル材は大変軽量で、危険の少ない材料ではありますが、転倒のリスクは避けるに越したことはありません。等身大パネルはその性質上、どうしてもお客様のすぐ近くに設置される宿命を持っていますからね。わずか2mmの差なのですが、5mmより7mmパネルのほうが安定感があり、転倒のリスクを減らすことができます。
また、パネル材は湿気等の影響でどうしても反りが出てきてしまう材料ですが、7mmは5mmよりも反りが出る速度が若干ゆっくりになります。等身大パネルが反ると安定を欠くことにもなりますので、その面からも7mm厚を選んでおくのが無難でしょう。ただ、300mm角以内とか、卓上用とか、小さなパネルは5mmでも特に問題ないと思います。

 

寸法
コンドットの場合、等身大パネルの寸法は100mm角から1200mmx2400mmまでを任意で選択いただけます。ただ、あまり大きい寸法は考え物です。大きいと重心も上がりますし、紙脚もあまり巨大なものはありませんので、相対的にパネルの下の方に付くことになります。そうなるとパネルの安定が損なわれます。また、大きいパネルは時間経過による反りも大きく出てしまいます。
よって、等身大パネルの寸法はまさに人間の等身大、高さ1800mm以内を目安に考えるのがよいでしょう。
もちろん2400mmまでの大きな等身大パネルもご依頼があれば制作いたします。ただ、全高が高くなればなるほど安定を欠くということは頭に置いておいた方がいいでしょう。

等身大パネル・デザインの考え方

形状
人間が直立すると、足先は細く、腰に向かって太く、また頭に向かって細くなる、長いひし形のようなシルエットになります。このひし形そのままで等身大パネルを制作すると、かなり安定感が損なわれます。形状を見ると安定しないのが一目瞭然ですよね。
ですので、等身大パネルのデザインは、下部の横幅を図のように太らせるのが鉄板です。全体として山型のシルエットに近づけると安定感が増しますよ。
また、全体の横幅が細いと、後ろにつく紙脚がはみ出して見えるなどの問題もあります。紙脚の横幅は最も大きいもので大体500x1400mm程度ですから、等身大パネルはこの紙脚分のスペースを考慮して形状を設定するとよいでしょう。(紙脚はこのサイズより小さいものも各種あります。コンドットでは形状に最も適した寸法の紙脚を選択してセットしております)

左の例は一応△としましたが、安定が悪すぎてそもそも立てられない可能性が高いです

 

デザイン
デザインの面で考えたいのが「フチ」の有無です。これはオーダーされる方のセンス・趣味で決定するものではありますが、どちらかというとフチありのほうがおすすめです。
なぜかというと、輪郭まで色で埋まっているパネル(紙媒体でいうところの「タチキリ」)は、背景に溶け込んで見えづらいことがあるからです。白フチをつけて、かつ適度に白場があるほうがよく目立つケースが多いんですね。
これは現場の状況やデザインテーマ次第なので、フチがないほうが見栄えがする場合ももちろんあります。いろいろ考慮しつつデザインを考えてみてくださいね。

フチによって見え方が変わるので、状況によってフチの有無を使い分けましょう

 

データ
データに関してですが、コンドットのデータ入稿にあるルールはど何卒お守りください(塗り足し、フォントアウトラインや画像埋め込み等)。

 

データ作成方法はこちら
https://base-print.com/user_data/data_submission/illustrator

 

そのうえで、カット用の異形ライン(カットライン)をどうするかということですが、これはイラストレーター内でメインのデザインとレイヤーを分け、そちらのレイヤーに線のオブジェクトを移動しておくだけで大丈夫です。

カットラインのレイヤーはわかりやすく「カットライン」等の名前に変更してください。カットラインの色はなんでもいいですが、シアン100%やマゼンタ100%等の目立つ単色で太めに設定しておくのがいいでしょう。この際、レイヤー名が「カットライン」になっていないと、線がデザインなのかカットラインなのか判断がつきませんので、レイヤー名は必ず変更しておくようにお願いいたします

なお、あまり複雑なカットラインは機械がカットできないこともあります。輪郭線を細かくキッチリと写真やイラストに沿わせると、逆にガチャガチャして見た目もイマイチになったりします。
ですので、カットラインはできるだけ滑らかにし、また「パスの単純化」等を使用してアンカーポイント数もできるだけ減らしたほうがよいでしょう。

また、全体の形状にも配慮が必要です。イラストレーターの画像トレース等でパスを生成している場合、予期しないパスの「とがり」が出ることがあります。これは見た目が悪いですし、カット機械のエラーを引き起こしたりますので修正しましょう。
絵柄の中で特に細い部分がある場合も注意しましょう。制作自体はできますが、強度が下がり、現場のアクシデント等で簡単に破損してしまうのはよくある話。そのような部分はつぶしておくのが安全です。

カットラインややこしい、不安!プロにやってほしい!というかたは、カットラインの作成サービスも承っております。ご希望のかたは等身大パネルの商品ページ下部をよくお読みいただきご依頼くださいませ。

 

まとめ
少々長くなりましたがいかがでしたでしょうか。等身大パネルとは、紙やモニタの上だけで完結するものではなく、パネルというナマの材料を使って作り、できあがったら現場に設置するもの。安定感のことにしろ、デザインのことにしろ、その面を念頭に置いた計画が大事ですね。

 

等身大パネルのご注文はこちらから。
https://base-print.com/user_data/panel-lifesize

 

それではみなさま、今回はA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!