イラストレーターTIPS 「便利な整列」

コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。

今回は「イラストレーターTIPS」。非常に便利な機能「整列」についてご紹介します。

案外知られていない?

オブジェクトを規則的に並べるときに便利な「整列」機能。デザインデータをもとに出力用のデータをつくる「DTPオペレーター」にとっては常日頃からお世話になりまくる機能です。
ところが、過去、A山がかかわったデザイナーの方で、この機能を全然知らない人がいました。腕のいいベテランデザイナーだったのですが、デザイナーの人は整列を使わないのかなあと思ったものです。まあ、たぶんその人がたまたま知らないだけだったのでしょうけど、確かにデザインの作業だけでいったら、整列機能必須とは言えないような気はします。
とはいえ、この機能、オペレーター系の作業だけではなく、デザイン系の作業でも知っていれば役立つ局面がたくさんあります。ぜひ覚えて活用しましょう。

 

整列開始!の前に

整列機能というくらいですから「整列パネル」を使うわけですが、整列パネルを触る前に「キーオブジェクト」の指定方法を覚えておきましょう。
あるオブジェクトを選択した際、なぜか境界線(=選択状態を示す色線)が太く表示される…オブジェクトが変更された様子はないし、選択解除してもう一度選択してもいつも通り。「この太線なんだろう…」と思ったことはありませんか。
実はこの「太線状態」が「キーオブジェクト指定状態」なのです。複数のオブジェクトを選択した状態で「選択ツール(黒矢印)」でいずれかのオブジェクトをもう一度クリックすればこの状態になります。解除するにはもう一度クリックするか、選択を外してやればOKです。
この「キーオブジェクト」が何なのかはこのあとすぐ出てきます。ひとまず指定方法だけ頭に入れておいてください。

整列の基準

それでは整列パネルをご覧ください。さまざまなマークが見えると思います。オブジェクトを複数選択した状態でこのマークをクリックしてやると整列がおこなわれますが…
本格的な説明の前に、整列機能を扱ううえで欠かせない「基準」の概念を押さえておきましょう。「何を基準に整列させるのか」ということですね。
「基準」には、アートボード、キーオブジェクト、選択範囲の3種類あり、整列パネルの右下のマークで指定できます。ここで先ほどの「キーオブジェクト」が出てくるわけですね。
「アートボード」を基準にした場合は、整列動作はアートボードを基準に行われます。「左揃え」動作ならアートボードの左端にすべてのオブジェクトがそろうわけですね。「キーオブジェクト」を基準にした場合はキーオブジェクトを基準に整列されます。
わかりづらいのが「選択範囲に整列」でしょうか。これは、「選択オブジェクトすべてを含む枠」の内側で整列動作が行われるというものです。A山はあまり使いませんね…

いよいよ整列開始

ではいよいよ整列機能の本番です。
と、いってもここからは単純です。整列させたいオブジェクトをすべて選択し、整列パネルにあるマークをクリックすればそれでOK。マークは整列方法が視覚的にアイコン化されておりますから、どのように整列されるか、見れば大体わかるかと思います。

もっともオーソドックスな整列が、整列パネル上段の「オブジェクトの整列」シリーズ。たとえばアートボードを基準にして左揃えしたいときは、「アートボードに整列」マークを押して基準を設定したうえで、整列パネル上段「オブジェクトの整列」の中の「水平方向左に整列」マークをクリックしてください。アートボードの左端にすべてのオブジェクトが揃います。
キーオブジェクトを基準に中揃えしたい場合は、キーオブジェクトを指定して「水平方向中央に整列」マークをクリックです。

このさい注意しないといけないのが、「整列」はグループ単位で行われるということ。グループ化されていないオブジェクトを対象に整列を行うと、整列どころかアートワークがバラバラになってしまいます。整列機能を使うときは必要な部分を忘れずグループ化させておきましょう

 

整列パネル中段にある「オブジェクトの分布」シリーズはちょっと分かりづらいです。
まず、イラストレーターにおける「分布」は「同じ間隔で並べる」ことをいいます。ですから、「アートボードを基準」にしていずれかの「分布」マークをクリックすると、オブジェクトがアートボードの内側で等間隔に並びます。
「選択範囲を基準」にしたときは、「選択オブジェクトすべてを含む枠」の内側で等間隔に並びます。このさい、オブジェクトの中央や右端、左端…のどこを基準にとって分布させるかでマークが分かれています。

 

もう一つが、整列パネル最下段にある「等間隔に分布」。「アートボードを基準」にするとアートボードの範囲内で、「選択範囲を基準」にすると選択オブジェクトの範囲内で、「キーオブジェクトを基準」にするとキーオブジェクトを中心に入力した数値の間隔で等間隔に整列してくれます。こいつはめちゃ使える機能で、感覚的にも理解しやすいです。活用する場面も多いですね。

 

まとめ

ここまで整列機能について紹介してきましたが…文章にすると非常にややこしいですね。そのことはA山もうすうす感づいていました…
と、いうわけで、整列機能は触って体験してもらうのが一番いいです。みなさまも適当なオブジェクトをいくつか作っていろいろ試してみてください。けっこうすぐ飲み込めると思います。

等間隔に並んだデータ・上端や下端が一直線上に揃ったデータというのは、効果を及ぼすにも、移動や変形させるにも、なにかと扱いやすいもので、うまく活用すると作業効率が大きくアップします。美しい入稿データを作るのにも役立ちますよ。

 

蛇足を一つ。ご紹介したうちの「オブジェクトの分布」シリーズは使用頻度が低いかもしれませんね。感覚になじまないというかなんというか…初心者の方はひとまず整列パネル上と下の段「オブジェクトの整列」「等間隔に分布」を重視して、そのあと中段にある「オブジェクトの分布」をさわってみるといいかなと思います(分布愛好者の方すみません)。

 

と、いうわけで、今回もA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!