コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。
コンドットの運営会社である「株式会社ベース」はサイン・看板の会社。そのノウハウを活かして、ポスターやパネルを制作しています。今回はちょっと目線を変えて、看板について少しお話ししましょう。
街の看板、じつは…
街にあふれるさまざまな看板。それらが何でできているかご存じでしょうか。
じつは、現代の看板の大半は「シール」。看板の土台となる板に、グラフィックをプリントしたシールを貼っているのです。ちなみに土台となる板はほとんどの場合アルミ複合版です(アルミの薄い板で樹脂をサンドした軽量・低コストの板)。
看板といえば手書き、というイメージがあるかもしれませんが、現在は手書きの看板はもうほとんどありません。コストと納期の面で現代のスピード感に合わないからでしょう。A山も純粋な手書きの看板は手配したことがありません。看板用に描いてもらった手書きイラストをデジタル化して出力したことはありますが…
コストとスピード感とはどういうことか。わかりやすい例が地名や駅名の入った看板です。「〇〇駅にお越しの皆さん、〇〇が新発売です!」みたいな看板を見たことはありませんか。このようなその場所限定・期間限定の看板は、高コストで納期もかかる、撤去も大変…となってくると実現不可能です。これらは大判プリンタが高性能化・一般化して、低コスト・高速でシールをプリントできるようになったからこそ出現してきた看板と言えるでしょう。
あれもこれもシール
ビルの屋上や高速道路沿い、空港近くの看板は巾10mクラスのものも珍しくないですが、あれもお化けみたいに大きなシールを貼って出来上がっています。
さすがに1枚でプリントはできないので、おおよそ巾1m~1.3mくらいに分割して制作し、貼り込みを専門とする職人さんが貼り込みます。
雑居ビルから突き出している「突き出し看板」。あれのグラフィックもシールです。電飾用の半透明シートを盤面のサイズに合わせて貼っています。
では、文字だけの看板は?あれもシールが活用されているケースが大半です。電飾にしろ非電飾にしろ、色つきの文字看板は、たいていの場合文字の形に作った板(※)に、シールを貼って表現しています。ガラスに描いてある営業時間などの表示も単色シールを文字の形に切り抜いて貼っていることがほとんど。切り抜くには「カッティングプロッタ」というマシンを使いますが、何十年か前はシールはあってもマシンが存在しなかったので手で切り抜いていたそう。職人芸!
シール類には木目柄、金属みたいな表面のものもあり、ぱっと見で木でしょ!という素材も実は木目柄のシール貼りのことが多いですね。
※『カルプ』と呼ばれる材料を切り抜くことが多いです。金属の場合は板金作業で箱型の文字を作ったり、ステンレス板をレーザーで切り抜いたりします
まとめ
と、いうわけで現在の看板事情でした。補足というわけではないですが、現代の看板であってもシールしかないということではなく、素板の色をそのまま生かしたり、塗装したり、シール以外の手法も、割合は少ないですが用いられますので付け加えておきます。でも、手書きだけはほんとに扱わないですね。完全に絶滅したというわけではないと思うのですが…
なおコンドットで扱っている「塩ビシール」はここで紹介した看板用のシールの一つで、非電飾用でグラフィックがプリントできる商品。街の本格看板にも使われているものですから、適した下地にしっかり貼れば、街の看板と同じように雨風に耐えてくれますよ。
それではみなさま、今回はA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!