コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。
今回は「イラストレーター TIPS」。「クリッピングマスク」について取り上げます。

みんなつまづいてきた…
A山は、イラストレーターを使い始めのころ、まったくわけが分からない、使いこなせない機能がひとつありました。それは「クリッピングマスク」。イラストレーターにおける基本中の基本ともいえる機能の一つです。一つのアートワークはパスと色とクリッピングマスクから出来上がっている…と言ってもけっして大げさではないくらい、アートワークの根底を支える機能でしょう。
しかしこれが、昨日今日はじめたくらいの初心者勢にはすごくわかりづらい。「クリッピングマスクをかける」とはどういうことで、かけたらどうしてこうなるのかがチンプンカンプンだったりしなかったでしょうか。
思えば、わかっている人とわかっていない人の間がこれほどまでに断絶している機能は無いかもしれません。そこで今回は、クリッピングマスクの基本のキをご紹介しましょう。
オブジェクトを「見た目上で切り抜く」機能
簡単に言うと「クリッピングマスク」は、あるオブジェクトを別のパスの形状に切り抜く機能です。
ただし、切り抜くと言っても見た目上の話です。下図をご覧ください。
あるオブジェクトの上に四角のパスを乗せ、上下のパスを同時選択して「クリッピングマスク」を適用してやると、乗っかっているパスの形状と同じに四角く切り抜かれます。上に乗せるパスの形が不定形でもその形状で切り抜かれます。
ここで注意したいのが、切り抜かれるのは「見た目上」ということ。クリッピングマスクを適用した結果、消えてしまったように見える部分は、実は隠れている(マスクされている)だけで、しっかり存在しています。「クリッピングマスク」を解除してやると隠れていた部分が再び現れます。
なお、「クリッピングマスク」は「オブジェクト」メニューの下のほうにあり、そこで「作成」と「解除」ができますよ。
「クリッピングマスク」のポイントいくつか
「クリッピングマスク」にはわけがわからなくなるポイントがいくつかあります。そちらを解説しましょう。
・どんなオブジェクトでも、何層でも適用できる!
「クリッピングマスク」は、写真でもイラストでも文字でも線でも、なんにでも適用できます。さらに、それらがいくつ重なっていようとも、まとめて選択したうちの「一番上」のオブジェクトの形に切り抜きます。
・解除しても残っている!
「クリッピングマスク」を解除した場合、隠れていた部分はすべて再出現しますが、マスクとなっていた「一番上」のオブジェクトもそのまま残っています。
ただし色と塗りが透明になっていますので見えません。仮にマスクをかける直前には色がついていたとしても、マスクを適用した時点で色も線も透明に強制変更されます。むろん「ただのパス」ですので、ふたたび色を付けることもできます。
つまり、「一番上」が「クリッピングマスク」という特殊なオブジェクトに変換されるわけではなく、あくまでただのパスのままであるということですね。
・変形できる!
上記の「クリッピングマスク」はあくまでただのパス…という点は案外重要です。「クリッピングマスク」内にある切り抜かれたパスと「一番上」のパスはグループになっているととらえてください。マスク外が見えなくなっているだけのグループです。各種「選択ツール」を使えば、「一番上」のマスク輪郭やマスク内のオブジェクトたちを別々に選択することもできますし、その状態で拡大縮小や回転、リフレクトなどを適用することもできます。
と、いうことでクリッピングマスクの紹介でした。文字にすると少々わかりづらいですが、触っているうちに必ずわかってきます。そのうち、何を迷っていたのか分からなくなるくらいに理解できるようになりますよ。
それではみなさま、今回はA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!