コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。

 

今回は前回に引き続き「等身大パネル」の作り方です。前回はフォトショップを使って画像の補正を行いましたが、今回はいよいよイラストレーターでの処理です。

１．輪郭線を作る

いよいよイラストレーターでの処理、と申し上げましたが、フォトショップでの作業が少しだけ残っています。それは輪郭線を作ること。最終データにおける「カットライン」のもとになる線です。
輪郭線の作り方はいろいろ考えられますが、今回はフォトショップ上で作ります。

 

前回背景を削除してトリミング（写真のいらない部分を切り取ること）までしましたが、この状態で「選択範囲＞選択範囲を読み込む＞レイヤー0マスク」としていきましょう。人物の周りが選択されます。その状態で「パス」のパレットに移動し、下部の「選択範囲から作業用パスを作成」を押してください。「作業用パス」が作られますので、これを「パスを保存」します。保存したパスをオプションメニューから「クリッピングパス」に変換しましょう。平滑度は無入力で結構です。
すべての手順を終えたら適当な名前を付けて保存。PSD形式で結構です。これでこの作業は終わりです。

２．イラストレーターに配置

次に、ここまでで作ったデータをイラストレーターに配置しましょう。ドラッグ＆ドロップでも「ファイル＞配置」でもなんでも結構です。
配置したら画像を「埋め込み」します。埋め込みの際のオプションは特にいじらないでください（「複数のレイヤーを１つの画像に統合」のまま）。埋め込むとパスが出現します。これがさっきフォトショップで作った「クリッピングパス」で、フォトショップで最後におこなった作業はフォトショップ上の「クリッピングパス」をイラストレーターに持ってくるためだったんですね。

 

３．線を整理する

こうしてイラレに移植した輪郭線ですが、写真の輪郭をそのままフォトショップにおまかせで切り取った状態です。とてもカットラインにはなりませんので、線を整理整頓していきましょう。ここからは普通の参考書には出てこない、実務の中で生まれてくるような小ワザをめちゃめちゃ使います。参考にしてくださいね。

 

・パスを操作できるようにする

配置した画像はマスクがかかっています。「クリッピングパス」の影響です。これを解除しましょう（オブジェクト＞クリッピングマスク＞解除）。
解除するとパスが境界線として見えるようになりました。フォトショップから移植したパスは「複合シェイプ」という特殊な状態のパスになっていることが多いです。これを解除するためにオブジェクトを全選択して「オブジェクト＞アピアランスを分割」をしておきましょう。
次に、見やすいようにパスに色を付けておきましょう。「選択ツール（黒の矢印）」でパスのあるあたりをクリックします。これで写真の輪郭であるパスが、すべて選択されますので、できるだけわかりやすい色を付けましょう。C100とかM100、C100Y100（原色緑）等がいいでしょう。見やすいよう線幅も少し太くしておきましょう。

 

・ゴミ取り

アプリケーションに作らせた線は写真のように「ゴミ」のような細かなパスがたくさん混じります。

また、腕や足のところにある「穴」も等身大パネルには必要ありません。これらは手作業で削除してもいいのですが、それだと取り残しが出ますし、何より面倒です。
これを一発削除するにはレイヤー機能を使います。手順は以下の通り。

 

１．新規レイヤーを２つ作成しておきます。
２．まず線のみを選択し、新規レイヤーの１つ目に移動
３．「グループ選択ツール」で、カットラインとなるメインの輪郭線を選択
４．選択した輪郭線をレイヤーパネル内でもう一つの新規レイヤーに移動

 

こうすると、元のレイヤーの中にゴミや穴が取り残され、活かしたい大きな輪郭線のみが新規レイヤーに移動します。あとは元のレイヤーを削除すればゴミ取り完了です。

と、いうことで今回はここまで。次回はカットラインの完成に向けて進めていきますよ。

 

今回もA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください！