コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。
今回はよもやま話です。コンドットで扱う塩ビシート等のシート貼りを専門とする職人さんが持っている道具とはどんなものでしょうか。実は貼り職人さんが持っている道具って、そこまで特別なものは少なく、大きめのホームセンターで買えるものも多かったりします。今回はそんな貼り職人さんの持つ道具で代表的なものをご紹介しましょう。
コンドットでシートを調達し、YouTube動画等を参考に自分で貼っている方もおられると思いますが、そんなあなたに贈るネタ…かもしれません。
「腰袋」
職人さんは現場でたくさん動きます。脚立の上など、不安定な場所に立つことも多いです。そんな仕事だからこそ、道具をコンパクトにまとめてすぐに取り出せることが肝心。ほぼすべての職人さんは現場で「腰」「腰袋」などと呼ばれる袋やケースに道具をまとめて入れています。これはホームセンターで買えますが、一般の人はあまり立ち入らないコーナーかもしれません。実際に売り場に行ってみるとその種類の豊富さに驚くことでしょう。
貼り専門の職人さんの腰袋はそこまで大きくないことが多いですが、看板設置までおこなう職人さんの腰袋はかなり大きく、中の道具も多くてめちゃ重かったりします。数キログラム程度になるのも珍しくなく、長時間作業していると腰や背中にかなりの負担だそうです。肩にかけるベルトに腰袋を吊って負担を和らげている方も多いですね。
「カッターナイフ」
カッターナイフは以前このブログでこれでもかと紹介しましたので、よろしければそちらもご参照ください。貼りの職人さんは小型のカッターを腰袋に差しています。さすがに百均のカッターを使う人はいませんが、ホームセンターで買える普通の品を使っていますね。その中でもメーカーにこだわったり、色を選んだりとオリジナリティを出す人も。
「拭く道具」
汚れや水を拭き取る工程は貼り作業にはつきもの。拭く道具は主に2種類あり、「ウエス」と「キッチンペーパー」です。
「ウエス」はいわゆる端切れ布で、実はホームセンターで売ってます。キログラム単位でパンパンに端切れが詰まっており、なかなかコスパがよい気がします。
「キッチンペーパー」は家庭でも使うやつです。大量に使うこともあるのでロールのやつを持っている職人さんが多いですね。
「ウエス」と「キッチンペーパー」の使い分けですが、布であるウエスは吸水力が高く丈夫なので、水等を大量に拭き取る時や汚れのひどい時、溶剤等強い薬剤を使うときに使います。キッチンペーパーの利点はホコリや糸くずが出ないところ。これからシートを貼る板の掃除等、ホコリを出したくない状況において使います。
ちなみに、貼り作業の掃除のときには洗剤等の界面活性剤ではなく、「メタノール」を使うことが多いです。「メタノール」は塩ビシートを傷めず、汚れを取る力もたいへん強い液体です。たとえば塩ビシートの表面に油性マジックで書き込みをしたとしても、メタノールを垂らして拭くと、鉛筆の線を消しゴムで消すかのように簡単に消すことができます。シート表面だけでなく、シートを剝がした後の糊残りを落とすのにも使います。
「貼る道具」
以下は今回紹介する道具の中でも特殊な部類で、貼り職人ならではというものです。
まずは「スキージ」。簡単に言うとプラスチックの小さな板の先端に分厚いフェルトを巻いたもの。シートを貼る際は裏紙を少しずつ剥がしながら押さえ、こすりつけていくのですが、その時に使います。貼った後のシートに空気が入ってしまった時、それを押し出すのにも使います。
とはいえ、アマチュアの方がたまに貼るくらいならその動作は手でやってしまってもいいし、タオルみたいな布でゴシゴシやってもいい。でもプロは毎日ものすごい量のシートを貼りますから、そんなのじゃやってられません。スキージなら綺麗に、効率よくシートをこすれるので必須になるわけです。
次に「スリッター」。今回紹介する中でもっとも特殊な道具かもしれません。「裏紙カッター」「裏紙スリッター」「ガイドカッター」といろんな呼び方がありますが、シートを傷つけずに裏紙だけ切るのに使います。普通のホームセンターではあまり売っておらず、小さな道具ですが値も張ります。A山も持っておらず、写真もないので検索してください(笑)。
「インパクトドライバー」
貼る作業からは少し離れますが、インパクトドライバーも作業の中でよく使う道具。アルミ複合版を木材等に打ち込んだり、角パイプを組み上げたりするのに活躍します。
インパクトドライバーの大きな特徴は「叩く力」なんだそうです。電気の力でくるくるまわる電動ドライバーというのもありますが、これは回るだけ。インパクトドライバーはビスをガツンと叩き込むように打ってくれるので、ビス穴のあいていない下地でも楽に通せるというわけです。
と、いうわけで貼り職人さんの使う道具を紹介いたしました。
もちろん職人さんたちは今回紹介した以外にもさまざまな道具を持っています。人によっては自作のゲージ(定規)を持って効率や仕上がりの制度をを上げていたり、貼るシートによってスキージを使い分けたり(プラスチックの材質により貼りの感覚が変わるらしい)、現場で見ているとさすが職人だなあとうならされることしきりです。
それではみなさま、今回はA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!