コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。
大判プリンタの高性能化、低価格化により、世の中でIJ制作物がごく当たり前に見られるようになってきました。
そんな中にあって、結構昔から多種多様なIJ制作物を大量に店内装飾で活用してきたお店があります。
それは….「パチンコ屋さん」!
今回はパチンコ屋さんとIJ制作物についてのよもやま話をお送りします。
パチンコ店にIJ商材が好まれるワケ
いまでこそスーパーや量販店で床シートや屋内用パネルが使われたり、街中の大型看板をごく短いスパンで貼りかえることは普通になっておりますが、ひと昔前はIJ屋の極上の得意先といえばパチンコ屋さんでした。
それは以下のような理由からだと考えられます。
・ド派手で賑やかな装飾を好むお店が多かった。好きな絵柄で広い面積をラッピングでき、グロスラミで輝くような盤面を演出できるIJ制作物はうってつけだった。
・月に1~2回の新台入替があり、そのたびに壁やガラスのグラフィックをガラリと入れ替えたいというニーズがあった。店舗単位の小さな生産に対応でき、差し替えも剥がして貼り直すだけで済むIJ装飾は、コスト・工期の面で適していた。
・台の周囲に貸し玉料金や休憩、喫煙等、細かな注意書きを施す必要があり、ルール変更による更新も頻繁なため、貼り剥がしの容易な塩ビのシールが便利だった。パチンコ店1店舗が必要とする数枚~数百枚の少量生産にも適していた。
・新台入替の場合、もろもろの事情から、装飾の計画とシートの生産に使える時間は長くてもせいぜい数週程度。短い時は数日。IJ制作物はこの短納期でも対応が可能だった。
上記のごとく、まさにパチンコ屋さんのニーズにIJ制作物はぴったり合致します。新台入替に伴う装飾の更新も定期的にあり、そのたびに注文が入ってくるので、IJ屋にとってもパチンコ屋さんというのは大変ありがたい存在だったのです。
果たしてパチンコ屋さんとIJ屋を結びつけたのは誰なのか、それはA山もよく知らないのですが、最初につないだ人はきっと営業の天才ですね。
パチンコ店、それはIJ商材の宝庫!
さて、それでは具体的にどのような箇所にIJ制作物が使われているかを、コンドットの商材だとどれに当たるかも含めてご紹介しましょう。パチンコ屋さん全体に使われていてびっくりしますよ。
①妻板/「塩ビシール」
台が並んだひと塊を「島」と呼んだりするのですが、その終点に立っている大きな壁を「妻板」と呼びます。この板は「塩ビシール」でラッピングします。
②島上装飾/「屋内用パネル」
パチンコ台の上にパネルを立てて飾っていることがあります。このパネルは、5~7mmの厚みの場合はスチレンボードで装飾していることがほとんどですね。
10~20mmの厚みがある場合は「カルプ」という看板用の板を使用していることが多いです。逆に3mm程度の薄い板の場合は、コンドットでいう「屋外用パネル」をたいてい使用しています。
③幕板/「塩ビシール」
台の真上にある板は「幕板」といい、パカパカ開閉ができるようになっています。中にはパチンコ玉を店内にいきわたらせる装置が入っております。この板にグラフィックを施す場合も「塩ビシール」を使用します。
④案内用ピクトサイン/「屋外用パネル」「屋内用パネル」
店内の案内板等は「屋外用パネル」か「屋内用パネル」を天井から吊っていることが多いですね。アクリル板に「塩ビシール」を貼付して使用する場合もあります。
⑤ポスター/「屋内用ポスター」
フレーム等に入っている店内ポスターはIJ出力で制作されたものがほとんどです。店舗で数枚程度しか必要がないうえに、短期間で更新することがほとんどですから、オフセット印刷ではコスト的にまったく見合わないのです。
⑥サンド/「塩ビシール」
台と台の間には、お金を入れるための細い機械が設置されており「サンド」などと呼ばれます。ここには店舗のルール等が書かれた小さなシールがいろいろと貼ってあり、これらは「台間シール」などと呼ばれるのですが、材料としては「塩ビシール」であることがほとんどです。紙のシールでもいいっちゃいいのですが、紙だと非常に剥がしにくく、少量生産にも向かないのであまり使われません。
⑦床シート/「床シール」
パチンコ屋さんといえばコレ!な商材という印象があります。コーナーごとの雰囲気を演出する巨大な床シートはパチンコ屋さんの華ですね。最近はカーペット貼りのお店も多く、ド派手な床シートを貼る店もずいぶん減ってきました。残念。
と、いったところですが、以上は代表的なもので、ほかにもLEDポスターパネル用の電飾フィルム、ガラス面の塩ビシート、簡易的な装飾としてのパウチラミシート等、パチンコ屋さんというのはいたるところにIJ商材が使われております。
もしパチンコを打たれる方がおられましたら、一休みの際にこういう部分に注目していただけるとIJ屋としてはうれしい限りです。
まとめ
経済ニュース等でもたびたび話題になっておりますが、最近のパチンコ業界は苦境だそうです。A山の実感としても、10年前と最近ではパチンコ装飾の依頼量は減った…どころではなく、まさに激減という印象です。
昔は超短納期に合わせて毎夜必死で大量のIJシートを生産していたものですが、最近はそういうこともほとんどありません。何しろパチンコ屋さんの数自体がこの10年で半分くらいになっているらしいですし、もはや大判プリンタが身近になりすぎて、お店自らプリンタを買って自分でポスターを出力して使っている、なんていう事情もあります。注文が全くなくなることはないにせよ、昔のような状態に戻ることはもうないでしょう。あのバカ忙しい状態がなくなってほっとした面もありますが、一抹の寂しさも覚えます。
それではみなさま、今回はA山がお送りしました。
また会う日までお健やかにお過ごしください!