よもやま話「カッターナイフを語りたい 前編」

コンドットスタッフのA山です。
みなさまごきげんいかがでしょうか。

 

今回はよもやま話。「カッターナイフ」のお話です。
カッターナイフといえばわれわれ看板業界の人間には絶対に欠かせない商売道具。実はわりと種類も多いですし、作業によって使い分けたりもします。そんなカッターナイフの世界をご紹介しましょう。

一つだけおことわりを。今回、紹介文に適した商品写真を載せたかったのですが、通販サイトからの転載はマズイですし、実際に買い集めて撮影しようかなとも思ったのですが、わりと馬鹿にならない値段になるのでやめました(苦笑)。
というわけで、今回掲載した写真は無料のストックフォトサイトからいただいたもので、紹介文の内容ドンピシャというわけではないです。あしからず。
とはいえ、近しいモデルの写真を選んではおりますので、もし記事を読んでそのようなカッターが欲しいと思ったら、写真に近いものをホームセンター等で探してもらえればたどり着けると思います。(今回紹介するカッターナイフは特別なものではなく、全部ホームセンターで普通に買えます)

 

カッターナイフ「小」と「大」

カッターナイフには大きなタイプと小さなタイプがあります。
巷でよく見るのは小さなタイプ。ホームセンターや文房具店はもちろん、スーパーやコンビニでもよく見かけるやつです。これは9mm刃(刃のタテ巾が9mm)を使用しています。一般の方はほぼこのカッターナイフしか触ったことがないのではないでしょうか。一方、大きなタイプは18mm刃を使用しています。かなり大きいです。
大と小は切るモノによって使い分けます。われわれ看板屋が切るのは塩ビシート+ラミネートといった、紙よりかなり厚いモノが多く、また、5~6mの距離を一気に切ることも日常茶飯事です。アルミ複合版等の堅く厚い板を切ったり、PET素材のような厚く、切れにくく、滑りやすいシートを切ることもよくあります。
こういう場合は大きなカッターが最適です。握りやすさ、力のかけやすさが細身のカッターナイフより圧倒的に上だからです。また、刃も厚くて丈夫なので力を入れても撓(しな)りにくいです。こういう素材に9mm刃だと、ちょっと力をかけると刃が(本体も)撓って安定して切れないですし、そもそも刃が薄いのでわりとすぐにすり減って切れにくくなってしまいます。ですので、工場の制作の場合、多くは18mm刃のカッターを使用します。
ここまでだと9mm刃にはいいところが無いようにも思えますが、それは看板屋という仕事だからこそで、もう少し小さいものや薄いものを切る場合は9mm刃の方が適しています。18mmはデカすぎて、微妙な力加減が効きにくいんですね。
工場での細かい作業と言えば、「ハーフカット」や「キスカット」などと呼ばれる「シールの離型紙(裏紙)は切らずに表面のシートだけ切る」というのがありますが、これなどは9mm刃のほうが断然向いています。また、施工の現場では細かな力加減の必要なカットや、刃を横に向けたり上に向けたり出っ張りに沿わせて滑らせたり、ちょっとアクロバティックなカットも多いので、小回りが利く9mm刃は愛用されていますね。

カッターナイフのストッパー

カッターナイフの刃を出し入れするスライダーは、カチカチと音を出しながらスライドさせる方式のものと、無段階で動くねじ式のものがあります。一般の人にはどっちでもいい、というか刃の出し入れがめんどくさいからねじ式なんていらないよという意見まであると思いますが、これ、われわれの作業の上ではわりと重要な要素です。
と、いうのも、堅いフィルムや厚みのある板を切る場合、力加減や切断の状況によっては刃が引っかかるような感じで止まってしまうことがあります。この時、スライド式のストッパーだと、そのまま刃が引っ張られて全部出てしまうことがあるのです。ねじ式だと刃がしっかり止まっているのでそういうことはあまりありません(あまりにも切りにくい材料だとねじ式でもまれに起こります)。カッターを扱っているときに予想外のことが起こると大変危険です。切りにくい材料を切るときはねじ式のストッパーが無難ですね。

スライド式でも、指でぎゅっと押さえた時だけスライダーが動き、押さえていない時はロックがかかる方式のものもあります。これはなかなか便利ですが、ねじ式に比べるとちょっとロック力が弱いですね。

さて、ここで衝撃の展開ですが…カッターナイフをまだまだ語りたいということで、このネタは次回まで続けます!(実際はあれこれ書いてたら全体が長くなりすぎたので分けようとなっただけですが…)
次回はちょっと変わったカッターナイフたちとカッターナイフのTIPSをご紹介。もう少しだけお付き合いください。

 

それではみなさま、今回もA山がお送りしました。
次回までお健やかにお過ごしください!